公務員保育士、どうすればなれる? 給与・待遇・私立保育士との違いを比較

保育士は他の業界に比べて給与が安いと言われることが多いですが、公務員保育士はなかでも給与や待遇がいいことで知られています。そのため、公務員保育士の競争率は高く、採用の壁は高いです。この記事では、公務員保育士と私立保育園の保育士の違いに触れながら、公務員保育士になる方法について解説します。

公務員保育士のなり方・公立保育園に就職するには

公立保育園で働く公務員保育士になるには、どうすればいいのでしょうか。

各地方自治体の公務員保育士試験を受ける

公務員保育士になるには、各自治体が行う公務員保育士試験(職員採用試験)を受ける必要があります。

公務員保育士試験に合格すると、各自治体の採用候補者名簿に登録され、保育園からの採用の申し出によって勤務ができるようになります。

採用されないままになることもあり、1年が経過すると再試験が必要です。公務員保育士として採用されるまでは、安心できないのが実情です。

公務員保育士の試験までの道のり

公務員保育士試験は、各自治体によって受験資格等が異なります。実際に受ける場合は、自分が働きたい自治体の受験要項なども確認するようにしてください。

受験資格は?

受験資格は、保育士資格があることです。次年度までに保育士資格取得見込みのある方も受験ができます。年齢制限は大学卒業の23歳くらいから35歳くらいまでとされるのが一般的です。自治体によっては、市内在住者を募集する等の居住制限を設けている場合もあります。

募集時期、試験日程は?

募集時期も各自治体により違いがあります。一番多いのは6月から8月です。受験の申し込み開始から1ヶ月ほどで一次試験が行われ、合格発表には2週間から1ヶ月間ほど要します。

二次試験は一次試験の結果発表後の数週間、1ヶ月後に実施されることが多いです。

最終合格発表は二次試験の2週間〜1ヶ月間後となります。

難易度や合格率は?

公務員保育士の難易度はとても高いです。合格率は、地域によっては1倍と低い倍率の自治体もありますが、高いところでは15倍という地域もあります。

一次試験/二次試験の内容

保育士試験のように、公立保育士の試験も一次と二次があります。

一次試験は筆記試験で、教養と専門の2つの試験に合格しなければいけません。教養試験では、英語、国語、数学、社会、理科など、高校卒業レベルの教養問題が出題されます。

専門試験では、保育原理や教育原理、社会的養護や児童家庭福祉など、保育士試験でもおなじみの分野が出題されます。ただし、保育に関係ない出題もあるため、試験内容は予め出題傾向を調べておくといいでしょう。

一次試験は、6割から7割の問題に正解できれば合格できると言われています。

二次試験では、口述試験や実技試験などを行う自治体が多いです。面接を行う自治体もあります。実技試験では、ピアノやスポーツテストを行ったり、作文を書かせたり、グループワークを課すなど、地域によって違いがあります。

私立保育園と比較! 公務員保育士のメリット

公務員保育士へのなり方を解説してきましたが、公務員保育士とはどれほど魅力のあるものなのでしょうか。私立保育園との違いを比べてみます。

安定した高い給与は公務員保育士の魅力

全国の保育士平均は24万円程度と言われています。一方、公務員保育士は30万円以上となることが多く、年収にすると約230万円も差があると言われています。私立保育園では月給20万円以下という施設も多いので、その差は歴然です。

公立保育園は行政が運営しているため、ボーナスも必ず支給され、地方公務員の扱いになるため年功序列で昇給します。

私立保育園は、ボランティアに頼らなければいけない経営状態の施設も多いです。また、昇給はほとんどしない施設もあります。安定した収入を得られる安心感は公務員保育士の大きなメリットです。

ここまで差がつくと、公務員保育士として働きたくなる理由も理解できるのではないでしょうか。

公務員保育士と私立保育士の待遇の違い

公立保育園の場合、地方公務員と同等の福利厚生が受けられます。有給休暇、産休、育休、退職金制度等が整っており、休暇などは実際に取得しやすいのも魅力な点です。退職金も一年働けば出るなど、公務員ならではの違いがあります。

他にも、地方公務員の基準に沿って運営しているため、残業などもほとんどありません。定時で帰宅できることも多く、ライフワークバランスが保ちやすいメリットがあります。

私立保育園の体制は園の運営にかかっているため、施設によってさまざまです。経営状態によっては、退職金がない施設も少なくありません。

サービス残業、長時間労働、残業代不払いなど、労務問題を抱える園もあります。私立保育園を志望するなら、入職前に口コミを見て評判を知るなど、運営状態の下調べは欠かせません。

公務員保育士のデメリットは?

非常に魅力的なメリットのある公務員保育士ですが、私立保育園と比べてデメリットもあります。

短期間に転勤や異動がある

働く自治体の範囲にはなりますが、転勤や異動があります。転勤や異動は自分の希望に沿わないこともあり、場合によっては不便な場所にある保育園で働かざる得ないこともあります。また、地域によっては2〜4年に一度転勤するなど、頻繁に転勤することも多いです。

「同じ保育園で働き続けたい」「年中組で見ていた子どもたちを卒園まで見届けたい」と思っても、融通がきかないこともあります。他にも、保育園ではなく、児童福祉施設や相談所、学童保育施設等に配置されることもあります。保育園で働きたいのにと思っても、希望が通るとは限りません。

私立保育園なら系列の施設に異動になることはあっても、本人の意向を汲んで貰えることが多いです。

保育内容に独自性がない

私立保育園では、園独自の保育方針を掲げている施設があります。食育、英語教育、運動など、独自の慣習や行事のある施設も多いです。保育士一人ひとりの意見を反映して園を運営するなど、やりがいを大切にする園もあります。

しかし、公立保育園の場合は、同じ自治体の中ならどの施設もだいたい同じです。画一的で平均的な保育事業を行っており、独自性を感じられないこともあるでしょう。

また、お役所仕事的に感じてしまうこともあり、旧態依然としたムードにつまらなさを感じることもあるかもしれません。

難易度が高く競争率が高い

公務員保育士は給与や待遇がいいことから競争率が高くなっています。時期によってはそれ以上の倍率となることもあり、特に都心では倍率が高い傾向です。

しかも、合格しても採用者名簿に登録されるだけで、必ず採用されるとは限りません。

昨今は公立保育園が民営化され、公立保育士の間口はさらに狭くなっています。人材不足が叫ばれる保育士業界ですが、私立保育園と違い、公立保育園の保育士として働くには人一倍の努力をしなければいけません。

地域差あり! 私立保育園も検討しながら

公務員保育士は給与が高く安定して働けるなど、魅力的なメリットがあります。ただし、難易度が高く、採用試験に合格しても採用が約束されない等、実際に公立保育園で働くのは簡単ではありません。給与も難易度も地域差があり、昨今は私立保育園の待遇も良くなっているため、公立と私立のメリットに大きな差異を感じられないケースもあります。何が何でも公務員保育士になると決めつけすぎず、私立保育園にも視野を広げ、比較しながら就職先を決めていくといいでしょう。

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