居宅訪問型保育事業とベビーシッターの違いとは? 保育士が働くメリットを解説!

居宅訪問型保育を知っていますか? 保育士などが自宅に訪問し、保育サービスを提供する事業です。自宅で子どもを預けるといえば、ベビーシッターのイメージがあります。実際、居宅訪問型保育とベビーシッターとでは何が違うのでしょうか。この記事では、居宅訪問型保育事業について、ベビーシッターとの違いについて解説します。保育士が居宅訪問型保育事業で働くメリットについても触れていきます。

居宅訪問型保育とは

居宅訪問型保育とは、認可保育所などに分類される地域型保育事業の一環として行われている事業です。保育士が子どものいる家庭を訪問し、マンツーマンで保育を行っていきます。訪問保育とも呼ばれています。

保育時間も一般的な保育園や認定こども園とほぼ同じです。唯一の違いは給食やおやつで、居宅訪問型保育では給食やおやつは利用者が用意することになっています。

利用者の自宅で預かることから、保護者の帰宅をもってサービスは終了となるケースが一般的なようです。ただし、保護者に障害があったり、在宅ワークをしていたりするなど、外出できない理由がある場合はこの限りではありません。自宅にいながら保育サービスを受けられます。

居宅訪問型保育の利用条件

居宅訪問型保育を利用できるのは、原則3歳未満の乳幼児です。中でも、以下の項目に当てはまると市町村長が認める場合に、居宅訪問型保育を利用できます。

  • 集団保育が著しく難しい障害や疾病がある
  • 保育所の閉鎖などによって保育サービスが利用できなくなった
  • 入所を勧めても保育を受けず、市町村による収書措置の対象になっている
  • ひとり親家庭で保護者が夜間に勤務しているなど、家庭環境から必要と考えられる場合
  • 離島などの地域で、地域型保育事業の確保が難しい場合

上記、いずれかに当てはまれば、居宅訪問型保育を受けられるようになります。

居宅訪問型保育事業の認可基準

認可保育園として運営される居宅訪問型保育事業は、必ず認可基準を満たす必要があります。

居宅訪問型保育事業では、保育者1名につき乳幼児1名を配置します。職員は必要な研修を修了し、保育士または保育士と同等以上の知識、および経験を有すると市町村長が認める「家庭的保育者」とされています。

面積の基準は特にありません。各利用者の自宅で保育を行うためです。ただし、原則1日8時間と決められており、10時間、11時間などの長い時間を利用できる保育園に比べると、保育時間は短くなります。

保育内容は、保育所保育指針に準じて提供するとしています。

障がい児保育では専門施設と連携する

集団生活が難しい障がい児なども、居宅訪問型保育事業を利用するケースがあります。この場合、専門的な障がい児支援等を行っている施設と連携しなければいけません。

制度の詳細は自治体によって違いがある

保育時間は原則8時間となっていますが、自治体によっては11時間までの延長が可能なケースもあります。日祝日は利用できない、生後57日以内は預けられないなど、規定もさまざまです。

また、障がい児の保育についても、居宅訪問型保育事業を利用できる地域とできない地域があります。連携施設が少ない、すでに障がい児向けのサービスがあるなど、理由はさまざまです。

このように地域によって制度の違いがあるのは、居宅訪問型保育が誕生した背景に関係があります。

居宅訪問型保育が誕生した背景とは

2010年を過ぎて以降、待機児童問題が社会的に取り沙汰されるようになりました。待機児童の大半は0〜2歳の児童が中心。国や自治体は乳幼児期の子育てを支援するよう次々と事業をスタートさせました。その一つが居宅訪問型保育事業です。

居宅訪問型保育事業は、地域型保育事業に数えられます。同じ地域型保育事業には、小規模保育事業や家庭的保育事業、事業所保育事業などが含まれ、それぞれ待機児童解消に寄与しました。

根拠法は子ども・子育て支援法です。居宅訪問型保育は、細かな運営を自治体ごとに任せる地域型保育給付の事業として始まりました。乳幼児の待機児童が多い都心などでは、居宅訪問型保育の利用は少なくありません。

居宅訪問型保育事業とベビーシッターとの違い

ここまで居宅訪問型保育事業についてお話してきましたが、気になるのがベビーシッターとの違いです。

保育所さながらの居宅訪問型保育

保育を行う場所が利用者の自宅ということで、ベビーシッターと同じように見えますが、一番の違いは保育計画を立てることです。

保育所では夏の七夕や秋のハロウィンなど、季節感を取り入れたイベントを行うことが多々あります。居宅訪問型保育事業でも、保育所と同じように、季節感のあるイベントを行ったり、食育や簡単なエクササイズ、音楽など、さまざまな要素を取り入れて保育を行っていきます。

ときには外出をして、地域のこどもセンターのイベントに参加したり、保育園が行っている催しに参加したり、地域との関わりを取り入れるケースもあります。

自由度の高いベビーシッター

一方、ベビーシッターは保育士免許の必要がないため、保育計画の作成も不要です。保護者の希望により教育を行うケースも多く、場合によっては、英語ができる、リトミック指導ができるなど、プラスアルファの要素を兼ね備えたベビーシッターが好まれるケースもあります。

公的な補助を受けているベビーシッター事業もありますが、一般的な民間のベビーシッターの場合、働く時間、受入人数などにも法的な縛りがありません。一人で3人を世話することもでき、深夜や早朝も利用できるため、利用する保護者としては自由度が高いと言えるでしょう。

居宅訪問型保育で働くメリット

1対1で子どもと向き合い、マイペースに保育を行いたい保育士にとっては、居宅訪問型保育はうってつけです。個を大切にした保育を実践でき、保育士としても大きな成長を目指すことができるでしょう。

保護者ともコミュニケーションを取りやすくなり、要望が伝わらない、連絡が行き届かないといったコミュニケーション上のトラブルはなくなります。

訪問保育は認可事業のため、利用者は認可保育所と同額で利用できるのが利点です。保護者からも感謝されやすく、社会的な意義を感じながら働くことができるでしょう。

一方、保育士一人の責任になる点は、デメリットに感じられるかもしれません。保育所であればチームで連携を取れるものが、訪問保育では自分でなんとかしなければいけないのは心理的にも負担です。

ケガや事故等のトラブルに備えて応急処置の仕方を学んだり、危険予知トレーニングに取り組んだりするなどして、ケガや事故等のトラブルに備えると安心です。

自宅でプロの保育サービスが受けられる事業

居宅訪問型保育事業は認可保育に数えられる事業です。保育所に入れない待機児童を想定した事業のため、提供するサービスは保育所さながら。ランチやおやつは保護者で用意する必要がありますが、それ以外は質の高い保育サービスが受けられる点で安心が違います。1対1で行う保育のため、保育所などの全体保育が向かない児童にも、きめ細かな保育サービスが提供できるでしょう。子どもとじっくり向き合える保育の仕事を探しているなら、居宅訪問型保育は一考に値する仕事だといえます。

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