公立保育園と私立保育園を比較! 働き方、給与、保育方針等、公立・私立での違いとは?

保育内容や給与、働き方などの違いについて、公立保育園と私立保育園を比較します。

公立保育園と私立保育園の違いを、あなたはしっかりと説明できますか?

この記事では、公立と私立の保育園について、働き方や保育内容、給与や待遇で比較していきます。

公立保育園は民営化も進むなか、今後は公立保育園で働くことがどうなっていくのかについても解説していきます。

公立保育園と私立保育園の違い

公立保育園と私立保育園の違いを、表などで確認しながら比較していきましょう。

運営母体

まずは運営母体の違いから見ていきましょう。公立保育園の運営母体は自治体です。市区町村等が運営します。一方、私立保育園の運営は、社会福祉法人や学校法人、民間企業等です。

運営母体認可/認可外
公立自治体(市区町村)認可保育園
私立社会福祉法人
学校法人
民間企業 など
認可保育園
認可外保育園

公立保育園は国が定めた認可基準を満たす認可施設が基本ですが、私立保育園では必ずしも認可基準を満たしているわけではありません。

公立保育園はすべて認可保育園ですが、私立保育園は認可を問わないため、認可保育園も認可外保育園もあります。

働く保育士

公立保育園と私立保育園は、働く保育士にも違いがあります。

公立保育園の常勤職員は、保育士資格を持っているだけでなく、自治体が行う公務員採用試験に合格しなければいけません。

また、この採用試験には年齢制限があり、どの自治体も30歳くらいを上限にしています。

必要な資格年齢制限備考
公立保育士資格 + 公務員採用試験合格30歳前後
(自治体による)
すぐに働けるとは限らない。
欠員補充などの募集がなければ働けない可能性もある。
私立保育士資格
(一部無資格も可)
基本的に年齢制限はない

他にも、公立保育園の場合、採用試験に合格しても採用されるとは限りません。公務員保育士として名簿に名前が記載されるだけで、実際に採用されるかどうかは別の問題です。欠員補充の出ない限り採用されないこともあります。

一方、私立保育園の場合は、保育士資格を持っていれば大丈夫です。また、配置基準さえ守っていれば無資格の人が在籍していても問題ないため、私立保育園の中には、無資格の人材が働いているケースもあります。

もちろんですが、私立保育園で働くのに年齢制限はありません。年齢を重ねても働けます。

保育内容

保育内容は保育所保育指針にならいますが、公立保育園の場合、保育内容の詳細は自治体等で定められた保育指針に従って展開されます。地域の特色を生かした保育内容が多いのも特徴です。

一方、私立保育園は自治体の保育指針に従う必要はありません。英語教育やスポーツなど、個性あるカリキュラムを組むことができます。公立保育園に比べると自由度が高いと言えるでしょう。

保育内容仕事量
公立各自治体で定められた保育方針に沿って保育を行う。同じ自治体の公立保育園であれば、一律同じ。毎年恒例の行事も多く、残業などは発生しにくい。
私立保育所保育指針に従うものの、詳細の保育方針は各保育園で定められる。英語や音楽、運動や自然活動など、独自のカリキュラムや教育法を行うことができる。特殊な授業やイベントが多くなれば準備が必要になり、残業が増加傾向に。

英語にアート、リトミックや体操、スイミングなど、日常の保育に加えて多様な活動を行う園も多いです。モンテッソーリなどの人気のアプローチを用いる園もあります。

ただし、イベントや特別な授業が多くなると、それだけ業務も多くなります。持ち帰り仕事や残業などが増えるかもしれません。

勤務時間

公立保育園の場合、基本的には朝7時から夕方6時ころまでの勤務です。自治体によっては夜8時時ころまで勤務する園もあります。勤務時間は固定だったり、シフトだったりさまざまです。

出勤退勤はきっちりと管理されるため、サービス残業をすることもありません。基本的には定時で帰れると思っていいでしょう。

勤務時間残業の有無
公立朝7時から夕方6時ころまで
(一部、夜8時ころまで)
定時退社できる(緊急時除く)
サービス残業ありえない
私立朝7時から夕方7時ころまで
(園により夜8時、10までの勤務もある)
園の方針によるが、残業のある園は多い
サービス残業が常態化している場合も

一方、私立保育園の場合、園によっては残業が多い場合があります。先にも触れましたが、特殊な授業やイベントがある保育施設の場合、準備等に時間がかかり、その分残業が必要になるからです。

給与

公立保育園の保育士は、地方公務員として勤務します。そのため給与や待遇も充実している事が多いです。

公立保育園の場合、定期的に昇給するのも特徴的です。場合によっては毎年昇給します。たとえ1年目で退職しても退職金が支払われるため、公立保育士はとても恵まれているといえるでしょう。

以下の表を見ると、私立よりも公立保育園の方が給与額が高いことがわかります。

保育士主任保育士施設長
公立303,113円561,725円632,982円
私立301,823円422,966円565,895円
差額1290円138,759円67,087円
昇給退職金
公立年ごと、または一定年ごとに必ず昇給する1年目から支給される
私立昇給しないこともある。また、経営によって減給の可能性もあり。退職金制度がないケースも多い

一般的な保育士で比べると、私立常勤は月あたり30万1,823円、公立常勤は30万3,113円と、その給与差は千円ほどです。

しかし、主任保育士で比べると、私立は月あたり42万2,966円で、公立は56万1,725円です。なんと、14万円ほどの差があります。施設長で比べると私立は56万5,895円、公立は63万2,982円となり、7万円の差です。

いずれも公立保育園の保育士のほうが給与は高くなります。

参考: 2.結果概要(2)職種別職員1人当たり給与月額(全体状況)

公立保育士は、よほどのことがない限り給与が下がることはありません。一定の水準で昇給していきます。しかし、私立保育士は経営に左右されることが多く、長年勤めたからといって必ず昇給するわけではありません。

運営の状況によっては、減給されることもあります。

処遇改善手当

昨今、国との取り組みで働く保育士の給与を引き上げようと保育士処遇改善等加算が支給されるようになりました。この加算は公立私立の関係なく、申請することで受けられる補助金制度で、園によって給与への反映方法は違います。

福利厚生

賞与や社会保険など、福利厚生の面でも公立保育園は充実しています。有給や産休育休なども取りやすく、ギフト券がもらえたり、旅行の際には全国の保養所が利用できたりするなど、日常でお得を感じることも多くあります。

私立保育園でも、福利厚生が充実していないわけではありません。大手の企業が運営している保育園であれば、公立保育園よりも福利厚生が充実しているケースもあります。

異動の有無

公立保育園の場合、一定の地域の中で異動があります。短ければ2年、長くても6年程度で異動になってしまうため、ずっと同じ場所で働くことは難しいです。また、働く施設も自分で選べるわけではありません。

異動の有無詳細
公立自治体にもよるが、短くて2年、長くて6年程度で異動となることが多い。
私立有/無系列園があれば、異動となることもある。園による。

場合によっては、保育園以外の児童養護施設や児童発達支援センターなど、保育園以外の施設へ異動となる場合もあります。すべては人事次第です。

どうなる? 公立保育園の民営化が進むなかで

昨今は公立保育園の民営化が各自治体で進められています。民営化となれば公立保育園ではなくなるため、公務員保育士としては働くことはできません。すべての職員が辞めなければならなくなります。

今後民営化が進むと、公立保育園はどんどんと減っていきます。もしかすると、今働いているエリアから、公立保育園がなくなる可能性もゼロではありません。

公立保育士は給与や待遇面でも魅力的です。しかし、将来的に働ける場がなくなるのであれば、これまでのように腰を据えて働けない可能性があります。

まとめ

公立保育園と私立保育園の違いを比べてみました。

どちらも同じ保育士とはいえ、給与や勤務時間、福利厚生などの面では公立保育士のほうが魅力的に感じられます。

公立保育士の倍率が高くなる理由もわかりますね。しかし、今後は公立保育園が民営化される自治体も多く、公務員保育士が働く場所が減ってしまう可能性もあります。

これまでは腰を据えて長く働きたいなら公立保育園!というイメージでしたが、自治体によっては、公立保育士の需要は減るかもしれません。公立・私立の保育園の違いを理解し、自分に合った働き方を選んでくださいね。

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