保育における環境構成について。大切なポイントと実際の書き方をご紹介

保育園での活動を行う上で、とても重要な要素である環境構成。保育園における環境とは、子どもたちが関わる全ての人や物、場所や事象などを指し、子どもたちの心身ともに健やかな成長を促すためにはどれも欠かせないものです。ふさわしい保育環境を通して、子どもたちは様々な刺激を受け成長していきます。この記事では、適切な環境構成や、環境を構成する上で大切にしたいポイント、環境構成案の書き方について解説します。

保育における環境構成とは

環境構成とは、子どもの成長や発達には欠かすことのできない環境を、活動前に保育士が整えることを指します。保育士には、子どもが遊びや生活を通して、様々な環境に興味や関心を持てるように配慮し、計画に基づき園内外の設備や配置を考えながら、適切な環境を整える力が求められます。

環境構成に必要な4つの要素

①人的環境

人的環境とは、保育士、友だち、保護者など身近な人との関わりを指し、環境を構成する上で最も重要な要素です。それぞれの人の話し方、表情、動き、雰囲気など、その一つひとつが子どもの発達に大きな影響を及ぼします。

②物的環境

物的環境とは、子どもが生活する上で身近にある玩具や遊具、絵本、保育室や園庭などのすべての「物」のことを指します。子どもが安全かつ主体的に活動できるよう、発達に合った玩具や遊具の設定や、遊びこめる環境の設定を行なう必要があります。

③自然環境

自然環境とは、園庭や園周辺を取り巻く自然、季節、海や山、太陽や雲、田畑などの自然全般を指します。身近な自然との触れ合いは、子どもの経験や情緒の発達にとって重要な働きをします。散歩先で自然の美しさや不思議さに触れたり、生き物の飼育や植物の栽培をしたり、様々な自然との関わりを通して心身ともに成長していきます。

④社会環境

社会環境とは、地域の人々や園の周辺環境、公共施設との関わりを指します。地域のお年寄りとのつながりや、公共施設・公共交通機関の利用などを通して、子どもたちは、社会生活に必要なマナーや豊かな経験を身につけることができます。

以上、4つの要素の他、空間や時間、動線、快適な温度や湿度、清潔な環境や換気状況などの全ての要素が揃って、子どもにとって最適な環境が整うのです。

保育における環境構成の大切なポイント

環境構成を考える際に大切にしたいポイントは以下の通りです。指導案の作成は、慣れるまでは苦手意識を感じてしまうかも知れませんが、ポイントを抑えれば作成しやすくなります。
子ども自らが自発的に活動したくなる環境づくり
環境構成では、子どもたちの興味関心を的確に捉え、自発的に活動したくなるような、魅力的な環境を作ることが大切です。子どもたちの好奇心を刺激し、自分たちで考えながら遊びこめる内容の活動や環境を整えましょう。
例えば、園庭でかけっこをする場合、ただ走るのではなく、飛ぶ、避ける、くぐるなどの要素が必要な障害物を置いたり、ルールを設けるなどして、目の前の子どもに経験してほしい内容を活動の中に盛り込む工夫を凝らします。そうやって遊ぶ中で、自分たちで話し合いながら新しいルールを作ったり、別の遊びに発展させられるようになります。
様々な人との関わりを促す
子どもは、周囲の人との関わりから多くの影響を受けて育ちます。日常の遊びや生活の中で、同年齢をはじめ異年齢の子ども、保育士や地域の方など、様々な人々と関われる環境を作り出す必要があります。
複数人で関わって遊ぶ玩具や、友だちと協力する遊びを取り入れるなどして、遊びの中で人との関わりを嬉しいと感じられる活動を行なったり、地域の方々と触れ合える機会を提供しましょう。
子どもの安全と健康を保証する
子どもの健やかな成長のためには、衛生的で安心安全な環境は欠かせません。一人ひとりがのびのびと活動に参加できるよう、健康や安全に十分配慮した環境作りを行ないましょう。清掃や消毒はもちろん、適切な室温・湿度管理や、定期的な空気の入れ替えはとても重要な要素となります。これらは、クラスだけではなく、園単位でマニュアル化することが求められます。

環境構成の書き方

図で記す

それぞれの位置や動線がイメージしやすいよう、環境構成は図にして書くと良いでしょう。
活動に必要な机や椅子、教材、玩具、子どもや保育士の位置など、必要な要素をなるべく詳細に示し、他の保育士が見てもすぐにわかるようにしておきます。
例えば、製作活動をする際、子どもたちの椅子と机はどこにセッティングするか、保育士の立ち位置や、教材はどこにいくつ準備するかなど、文章で記入するよりも、保育室内を図で描き、必要なものを図の中に記す方が情報を整理でき、実際に動く際のイメージもしやすくなります。
箇条書きで記す
戸外での自由遊びなどで子どもの位置を正確に記すのが難しい場合は、箇条書きで記すことをおすすめします。その際、図で記すのと同様、様々な場面をイメージしながら、どのような遊びが想定されるか、危険箇所はないか、トイレや手洗い場の場所、その他必要な安全対策などを箇条書きにし、なるべく詳細に記入します。

環境構成の記入例

書き方を学んだところで、具体的な活動に沿った環境構成の記入例を見てみましょう。活動内容から予想される子どもの姿にはどんなものがあるか、環境構成と配慮の書き方の違いなどをご紹介します。※園によって様式や記入すべき内容は異なりますのでご注意ください。
室内活動の例

活動内容音楽やリズムに合わせて自由に体を動かす
予想される
子どもの姿
音楽に合わせながら、楽しんで体を動かす
友だちと一緒に体を動かすことを喜ぶ
ダンスには参加せず、座って様子を見ている子がいる
配慮体を十分に動かせるよう、机や椅子を片付け空間を作る
子どもたち同士でぶつからないように、間隔を空けるよう伝える
やりたがらない子には無理強いはせず、見守りながら無理なく誘う
環境構成・机や椅子を端に寄せる ・保育士Aが見本として前に出る
・音源、スピーカーを準備
戸外活動の例活動内容
公園で自由遊びをする
予想される
子どもの姿
友だち同士で鬼ごっこやかけっこを楽しむ
ブランコや鉄棒などの遊具を使って遊ぶ
配慮公園内に危険物や危険箇所がないかを確認する
安全に遊べるよう、はじめにルールを伝え確認する
遊びごとに職員が分かれて付く
トイレに付き添う際には、他の職員に声をかけ連携を取る
途中で水分補給をし、適宜休憩を取る
環境構成【持参するもの】・お散歩バッグ、ホイッスル、携帯電話、水筒
※図でトイレや水道の位置などを記入しておくと良い

上記の表はあくまで一例であり、担当する子どもの年齢によって書く内容は変わります。0~2歳児は、安全に活動をする上で、保育士が提供する環境構成や配慮が何よりも大切になりますし、4~5歳児になれば、保育士が一方的に環境を整えるのではなく、子どもたちと一緒に、活動を進めるために必要な環境にはどのようなものがあるか、配慮すべきことにはどのようなことがあるかなど、子どもたちと話し合いながら一緒に考えられるようになります。自分の担当のクラスの子どもたちの実態に併せて計画を立てましょう。

まとめ

今回は、保育環境を整えるためのポイントを、記入例を交えながら解説しました。環境を整えることの大切さを改めて理解することで、更に保育が楽しくなります。何となく理解はできていても、「書く」ということに苦手意識を感じている場合には、今回解説した通り、図や箇条書きを用いて記入することで、見やすく分かりやすい計画が立てられるようになります。今後の指導案作成に、ぜひお役立てくださいね。

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