保育実習日記の書き方を徹底解説。スムーズに書くコツは?

保育士を目指す学生に必須の保育実習。その保育実習の中で避けては通れない「実習日誌」は、多くの保育学生が苦手とすることの一つです。ただでさえ慣れない実習で疲れている中、毎日何時間もかけて苦手な実習日誌に取り組むのは苦痛に感じてしまいますよね。そこで今回は、例文を交えながら実習日誌の書き方のポイントやスムーズに書くコツを解説します。

実習日誌を書く目的
実習日誌とは、保育園や幼稚園などの現場実習の際に、その日の活動内容やねらい、子どもの様子、保育者の援助、自身の評価や反省などを記録し残すものです。実習中は、記録した実習日誌を毎日保育園に提出し、その内容や前日の保育中の動きをもとに、担当保育士や主任、園長などからフィードバックを受けます。また、全ての実習修了後には学校にも提出し、単位取得のための評価を受けます。
その他、以下の内容が目的として挙げられるものです。
実習での学びの振り返り
実際に実習に入ると、毎日驚くべきスピードで時間が流れていきます。全てが子どもたち中心で進んでいく保育園の生活では、毎分毎秒様々な情報が飛び交い、一つひとつの出来事に対して、座学での授業のようにじっくり考えている時間はありません。そのため実習生は、保育中に気が付いたことなどは全てメモを取り、後ほど実習日誌に清書する際に、メモを見ながら記録し一日を振り返ります。
保育士の動きや声掛けを記録する
子どもたちが安心安全な園生活を送るため、保育士は、様々な配慮をして保育に臨んでいます。保育士が行なう配慮の中には、全体を導くためのものや、注意して見ていないと気が付かないような些細なものまであり、その言動の一つひとつは全て子どもたちのために考えられているものです。実習生は、担当クラスの保育士の動きや声掛けをよく観察し、どうしてその声掛けをしたのか、子どもたちにどのように働きかけていたかなどを、実践に活かせるよう実習日誌に細かく記録します。
書類作成の練習として
保育士として働くと、日々の記録や連絡帳をはじめ、指導計画や行事計画、研修報告など、保育に必要な様々な書類を作成することになります。「書く」ことは、保育士にとって必須のスキルです。限られた勤務時間の中でどれだけ丁寧かつ効率的に事務仕事をこなせるか、実習生のうちから経験しておく必要があります。

実習日誌の項目
実習日誌の様式や記入する項目は学校によって様々ですが、今回は、以下のような一般的な項目についてそれぞれ解説していきます。
基本事項
日付、天気、クラス名、当日の出席園児数、担任の名前などを記録します。朝出勤した時点でわかる項目ですので、しっかりメモを取っておきましょう。保育園では、天気や園児数などによって、予定していた活動から急遽変わったりすることがあります。しっかり記録しておくことで、後で見返した際に、その日はなぜこの活動になったのか、担任のその時々の考えを読み取ることができます。
ねらいや目標
その日の主な活動に対してのねらいや目標を記入します。担当するクラスの計画をもとに、その日自分が特に注目したい項目を挙げましょう。
前日の実習の評価・反省を踏まえて翌日のねらいや目標を立てることで、実習の中身がつながりのあるものになります。
<例>
・保育園での1日の流れを把握する
・保育士の動きを観察し、保育の流れや子どもとの関わり方を学ぶ
活動の時間・内容
右端の縦欄には、各活動の時間及び内容を時系列で記録します。朝の会、排泄、給食、午睡、おやつ、帰りの会など、毎日同じような時間帯に行なわれるものもありますが、その日の園の行事などによっては変更になることもありますので、しっかりとメモをしておきましょう。
<例>
・9:00 朝の会
・10:00 散歩
・12:00 給食
環境構成
活動を行なうときの子どもや保育者の位置、机や椅子の配置の仕方、必要な物など、図にして記録するとわかりやすくなります。図にする際は、定規を使用して丁寧に書きましょう。
<例>
※図で表記し文で補足する
・絵本の読み聞かせの際は、子どもたちに見えやすい位置に椅子を置く
・机1台と椅子4脚で班を作り、それを6班分用意する

子どもの活動
時系列に沿って、子どもたちの活動を記録していきます。歌の曲名や読んだ絵本の名前などについてももれなく記録しましょう。クラス全体の活動内容はもちろん、一人ひとりの様子についても、気になったことや特記すべき内容があればこの欄に記入しておきます。
<例>
・ピアノの前に立ち、朝の歌と今月の歌「〇〇(曲名)」を歌う
・2人1組でペアになり、手をつないで〇〇公園へ散歩に行く
・友だちと手をつなぎたがらない子がいる。保育士が理由を聞くと、別の子と手をつなぎたいとのことだった。
保育者の動きや援助
子どもの活動に対して保育士が行なった動きや援助について記録します。子どもとの何気ないやり取りの中にも、保育士の配慮や意図が隠れています。その日のメインの活動以外にも、普段の関わりもよく観察し詳細に記録に残すことで、自身の学びにつながります。教科書には書かれてない、現場だからこそ触れられる経験は何よりの財産です。
<例>
・片付けの時間には決まった音楽をかけ、子どもたちが自ら時間に気付けるようにする
・製作に入る前、道具の使い方について子どもたちにわかりやすく説明をする
・不安気な表情の子どもにさり気なく寄り添う
実習生の動きや気付き
その日の活動や子どもの動き、保育者の援助を見て自分がどのように動いたのか、どんなことに気付いたのかを詳細に記録します。ここに記録した内容は、部分実習や責任実習などで実際に保育をする際のヒントになってくれます。
<例>
・おむつ交換の際、優しく声をかけながら行なうことで、安心できるように配慮していた
・絵カードを使い、次にすることをイメージできるようにしていた
一日の反省や考察
最後に、一日を振り返っての反省や考察、心に残ったこと、学びにつながったことなどを記録します。悩んでいることや疑問に思ったことなどを記入しておくと、実習日誌を確認した保育士から助言をもらえることもあります。わかったつもりにならず、実習生の「今」だからこそ聞けること、感じたことなどを素直に記し、先輩保育者からたくさんアドバイスをもらいましょう。
<例>
・午睡の時間が迫っていたので着替えを手伝ったら、「自分で着替えたかった」と泣かせてしまった。子どもの気持ちに配慮して動くべきだった
・玩具の取り合いでけんかをしていた時の声の掛け方に悩んでしまった

実習日誌の書く時のポイント
実習日誌は、自分自身が振り返るためだけのものではなく、担当保育士などの第三者に読んでもらうためのものでもあります。次は、記録する際に注意すべきポイントについて解説します。
誤字脱字に注意し、丁寧に書く
大前提として、わかりやすく丁寧な字で書きましょう。誤字脱字が多く乱雑な字で書かれた読みにくい状態の実習日誌は、確認してもらう際に、担当職員に大変な負担をかけてしまいますし、とても失礼にあたります。提出する書類は、自身を映す鏡であるということを自覚し、謙虚な姿勢で作成しましょう。提出前にはしっかり読み返し、不備がないかチェックすることも必要です。
正しい言葉で記録する
ら抜き言葉やい抜き言葉に見られる、簡略化された話し言葉に注意しましょう。
また、保育には専門用語がありますので、下記の例をもとに、記入の際は十分注意をしましょう。
気を付けたい表現
正しい表現
食べれる
食べられる
休んでる
休んでいる
~させる
(~〇〇するよう)促す、伝える など
~してあげる
援助する など
先生
保育士、保育者 など
お部屋、教室
保育室
お父さん、お母さん
保護者、父親、母親
お昼ごはん
給食、昼食
お昼寝
午睡
うんち、おしっこ
排泄(排便、排尿)
外、お庭
戸外、園庭
おもちゃ
玩具

実習日誌をスムーズに書くコツ
メモを活用する
毎日、保育中の全ての内容や、細かい言動を覚えておくことは困難ですので、その時々の気付きや発見、印象に残った出来事などをメモに残しておきます。
ただし、あくまで実習中は子ども優先です。メモを取ることに集中してしまうと、大事な場面を見逃したり、ボールペンで園児を傷つけてしまったりする可能性があります。メモを取るタイミングなどは、保育の流れを見極めながら、子どもから距離を取った位置で行なうようにしましょう。慣れないうちは難しく感じるかも知れませんが、そういった配慮も保育士には必要なスキルです。
休憩時間を利用する
お昼休憩の時間を利用し、午前中の日誌を書いてしまうのも効率よく進める方法の一つです。帰宅後は午後の記録を作成するだけで済み、翌日の準備も無理なく進められます。ただし、園によっては、園内での作成をあまり良く思われないケースもありますので、事前に休憩時間に日誌を書いてもいいかどうかを確認しておく方が無難です。

まとめ
保育実習の大切な記録である実習日誌。慣れないうちは、書き上げるまでに時間がかかります。たくさん添削され、落ち込むこともあるかも知れません。
ですが、実習で得た学びや経験は、その後の自分を支えてくれるお守りのような存在になってくれます。貴重な記録を残せる実習日誌を味方に付け、保育士になるという夢に向かって頑張ってくださいね。

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