給与や待遇はどう? 増加する男性保育士の将来性とは

年々増えつつある男性保育士。以前は女性のイメージがあった保育士ですが、職業の魅力から保育士を目指す男性も少なくありません。ただ、保育士は給与が少ない等のネガティブな情報も目立ちます。この記事では、給与や待遇などの実情、男性保育士として働くことで得られるメリットは何かなど、男性保育士が気になっている将来性について触れていきます。

増加し続ける男性保育士の就業人数

まずは、実際に働いている男性保育士がどれくらいいるのかを見ていきましょう。

2022年のデータを見ると、1万3,160人の男性保育士が保育園等の施設に就業しています。少ないと思われるかもしれませんが、2005年には男性保育士は4,666人しか存在しませんでした。保育士全体の2.8%ですが、2005年の1.3%と比較すれば就業人数は大幅に増えています。

参考:コラム4 男性の新たな職域拡大 | 内閣府男女共同参画局

男性保育士のニーズは?

現状、どのような場面で男性保育士のニーズがあるのか、一つひとつ見ていきましょう。

父親のフォローがしやすい

父親たちのなかには、男性保育士が拠り所となる人も少なくないようです。

子育て経験のある男性保育士なら、父親として同じ悩みを共有できることもあります。相談内容によっては、男性保育士のほうが相談しやすいと感じることもあるでしょう。

男性トイレでのサポートがしやすい

男性トイレでの介助は男性が、女性トイレでの介助は女性が行うのが理想的です。男性保育士がいれば、男性トイレでのサポートを任せることができ、利用者も保育士側も安心できます。

防犯的な役割

男性保育士がいることで防犯の面で安心するという声があります。確かに、大柄で腕力のある人がいれば、安心する人は少なくないでしょう。しかし、旧来的なジェンダーの観念によるものですので、男性だからといってこの要望に応える必要はありません。

スポーツ経験などを生かしたダイナミックな遊び

男性だからスポーツができる、男性だから力持ちだという観念は、旧来的な観念です。ただ、実際の現場では「男性のほうがダイナミックな遊びができる」と、期待する声があります。

もし、あなたが男性保育士でスポーツ経験があるなら、世間の男性保育士に求めるイメージとマッチし、重宝がられるかもしれません。

風通しのいい職場づくり

男性保育士がいる環境では人間関係トラブルが起こりにくいという声があります。風通しのいい職場づくりの一環として、男性保育士を雇用する園もあります。

多様性のある保育園へ

社会にはさまざまなジェンダーの人が存在しています。一方で、保育園で働く人の多くは女性です。保育園の中には、社会の状態と近い環境で保育をしようと、男性保育士を積極的に採用する園があります。

保育士の給与や待遇の現状

保育士の給与といえば安いイメージがあります。実際、男性の全職種平均年収が549.4万円なのに対し、男性保育士の平均年収は約185万円低くなります。

ただ、産休育休等でキャリアが途切れやすい女性保育士に比べると、男性保育士の年収のほうが約40万円ほど高いです。これは男性保育士は正職員としてキャリアを継続しやすいからだと推測できます。

男性保育士年収363.7万円/月収30.3万円
女性保育士年収324.7万円/月収27.1万円

参考:保育士の平均賃金

待遇に関しては男女というよりも勤める保育園によって違いがあります。例えば、公立と私立との違いです。

公立保育園は、必ず昇給があり、退職金があるといった点で待遇が良いといえます。

また、地方公務員の退職金は1年目でも支給されます。退職金制度がない私立保育園も多いなか、この待遇の違いは大きな違いといえるでしょう。

他にも、中間管理職の主任保育士の年収を公私で比較すると、年収は公立保育園の方が約160万円ほど高くなります。

参考:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の 経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】

他の職種と比較すると、男性保育士の給与や待遇はいいとはいえません。しかし、施設を選ぶことで、できるだけ理想に近い給与や待遇を得ることができるでしょう。

よりメリットを感じられる男性保育士の働き方

よりよい保育環境を整えることができる、これまで以上に子育て家庭をサポートできる等、男性保育士の活躍の場はたくさんあります。男性としての視点や経験を保育士の仕事に生かすことで、大きなやりがいが感じられるのもメリットです。

一方で、給与が安い、待遇が低い、男性保育士が少なく職場に馴染めないなどのデメリット要素もたくさんあります。

よりメリットを感じながら働くには、どのように工夫すればいいのでしょうか。

昇給を目指してスキルを磨く

どんなに素敵な仕事でも、給与が低ければやりがいを搾取しているように感じてしまいます。やりがいを感じながら働くためにも、昇給を求めることは悪いことではありません。

男性保育士の中には、結婚や子どもが生まれるなどのライフステージの変化から、保育士を辞めてしまう人もいます。せっかく好きな仕事であるならば、早くから昇給について考えることが大切です。

給与を引き上げたいなら、経験を積む、研修等でスキルを磨く、転職する等の計画を立てましょう。

経験を積む

同じ保育園で働いてキャリアアップするにも、転職するにも、さまざまな経験を積んでおくことは役に立ちます。0歳児から5歳児までのクラス担任を経験した人と、3歳児クラスしか経験したことがない人とでは、経験に差が生まれるからです。

さまざまなことを経験しておくと、それが評価されて給与に反映されるでしょう。

キャリアアップ研修を受ける

一定条件に当てはまれば、研修を受けて副主任保育士のキャリアを得ることができます。この研修を受けることで、先々、副園長や園長を目指すことも可能です。

副主任保育士は月4万円の手当がつきます。これは国の政策によるものです。

ちなみに、主任保育士には手当の規定はありませんが、一般的には3〜5万円の手当がつくと言われています。

資格を取得する

キャリアアップ研修以外にも、民間資格などを取ってキャリアに活かす方法があります。絵本保育士や運動保育士、医療保育士など、専門性を強みにしましょう。

転職・公立保育士を目指す

積んだ経験を強みにして、今よりも待遇のいい保育園に転職するのもおすすめです。園内ではなかなか昇給しなくても、仕事場を変えれば一気に条件が変化します。うまくいけば、毎月の給与や賞与額が大きく変わるでしょう。難関ですが、給与や待遇を引き上げるなら公立保育士を目指すのもおすすめです。

男性保育士に将来性はある!

保育士の処遇改善を目的とした政策が打ち出され、社会的には、保育士の給与の引き上げを願う声が大きくなっています。配置基準の見直し等により、保育士の確保が必要な園が増え、売り手市場の状況が続けば、保育士全体の給与も上がっていくことでしょう。

給与が上がっていけば、働きがいはより一層感じられるはずです。より細かな対応が必要とされている仕事だけに、専門性が必要となり、よりプロフェッショナルとしての働きがいを感じられるでしょう。

-保育士, 保育関係職で働く