認定こども園で働くってどう? 働くメリット・デメリットと必要な資格

認定こども園は、就学前の子どもに対する教育・保育サービスを提供する機能と、地域の育児支援を行う機能を備えています。令和4年の調査では、認定保育園は全国で9,200施設を超えており、今後もますます増えていくとの予想です。この記事では、認定こども園で働くために必要な資格や、認定こども園で働くメリット・デメリット、認定こども園の種類、特例制度や経過措置期間などについて解説していきます。

認定こども園で働くメリット・デメリット

まずは、認定こども園で働くデメリット・メリットについて解説していきます。

認定こども園で働くメリット

認定こども園で働くことのメリットには、以下のようなものがあります。

保育と教育の両面から、幅広い業務を経験できる

認定保育園での活動は、保育と教育の両方の要素が含まれます。教育の観点でも活動を計画していく必要があり、どう学びを豊かにできるかなどの取り組みも必要になります。

保育園では子どもの情緒や生活面での育ちをサポートすることが多かったかもしれませんが、全く違うスキルが求められる場面もあるでしょう。

また、認定こども園には、さまざまな家庭環境の子どもが集まります。専業主婦が常に自宅にいる家もあれば、共働きで朝から晩まで働く家庭もあります。

保育園や幼稚園は同質な家庭環境の子どもが集まりやすい傾向にありますが、認定こども園は幅広い多様な子どもが集まりやすいです。そのことが、保育士としての経験の幅を広げてくれるメリットがあります。

認定こども園の経験は、転職時に活かしやすい

認定こども園が増えだしたのは、幼保連携型の認定こども園制度が始まった平成28年頃からです。まだまだ認定こども園の経験を有している人材は少ないことから、認定こども園での勤務経験は強みになるでしょう。

認定こども園の数はまだまだ増えていく傾向にあるため、業界的にも売り手市場と言えるかもしれません。

多様なイベントが行われる

認定こども園では、行事やイベントが増える傾向にあります。

例えば、働く親が多く長時間預けられる子どもが多いことから、保育園ではイベントごとが多くありません。とくに、保護者参加のイベントは少なくなります。

認定こども園では、園によって保護者の状況が違うため、保育園よりもたくさんのイベントや独自の行事などを展開できます。保育士として勤務しながらも、保育園とは違う行事等を経験できるのはメリットです。

認定こども園で働くデメリット

一方で、認定こども園で働くデメリットにはどんなものがあるでしょうか。

給与が高くない

認定こども園は保育士資格と幼稚園教諭の資格の両方を持つ人材が働いています。その分給与が高くなるような気もしますが、保育園との差はほとんどありません。

園児の家庭の背景はさまざま

先にも触れましたが、認定こども園に通う子どもの家庭環境はさまざまです。親の就業状況も違い、さまざまな背景を持つ子どもが預けられます。

そのため、保護者からの要望は幅広く、全てに答えていくのはとても大変です。

幅広い経験を積むことができる点ではメリットですが、一つひとつに答えていくのは苦労も多く、デメリットに感じる人もいるでしょう。

業務負担が増えるケースも

保育園で働いていたときよりもイベントや行事が増えることから、業務負担が増える可能性があります。

保育だけでなく教育的な観点でも課題を設定しなければいけないため、自発的に学ぶ時間が必要になったり、不慣れな仕事に手間取ったりと、大変に感じることも多いでしょう。

 

制度的な未熟さ

認定こども園制度が始まったのは平成18年(2006年)です。その後、平成27年(2015年)に認定こども園法が改正されることになり、施設数も大幅に増加しました。

認定こども園として10年以下の施設も多く、制度的にもこれから変更が加えられる可能性は十分にあります。制度が変われば、その制度に準じるために業務体制の変更を強いられる場合もあるでしょう。

認定こども園で働くことは、制度が変容する可能性についても理解しておくことが必要です。

認定こども園の4つの施設タイプ

認定こども園と保育園との一番の違いは、管轄省庁の違いです。認定こども園は内閣府ですが、保育園は厚生労働省が管轄します。認定こども園が幼保一体施設である一方、保育園は福祉施設という位置づけです。

認定こども園には4つのタイプの施設があります。それぞれの違いを理解しておきましょう。

幼保連携型

幼稚園と保育園の両方の機能を持ち合わせている施設のことです。このタイプは新設されたか、幼稚園や保育園がリニューアルする形で整備された施設といえます。行われる保育は、「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」に則って行われます。

幼稚園型

すでにある認可幼稚園に保育園機能がプラスされた施設のことです。幼稚園の位置づけになるため、幼稚園教育要項に従って教育が行われます。

保育所型

すでにある保育園に幼稚園機能がプラスされた認定こども園のことです。表向きには保育園として位置づけられ、保育所保育指針に基づいた保育が行われます。

地方裁量型

地域の状況、市民の声などを踏まえて、無認可の幼稚園や保育所を認定こども園として機能させることができます。このように地域の状況を鑑み設置された施設を地方裁量型と呼びます。

認定こども園で働くために必要な資格

認定こども園の中でも、幼保連携型の施設では、幼稚園教諭と保育士資格のどちらも保有する保育教諭を配置しなければいけません。

それ以外の認定こども園の場合は、児童の年齢で必要な資格が違います違います。例えば、満3歳未満の児童がいる場合は「保育士資格」が必要ですが、満3歳以上の児童がいる園では「幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持つ職員が望ましい」とされています。

ただし、求人の応募条件を見ると、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を保有していることが条件に掲げられていることが多いです。

無資格でも働ける?

基本的には資格保有者しか働けない認定こども園ですが、認定こども園の事務員や補助員としてなら、無資格でも働くことができます。

事務員は事務業務のサポート、電話等の応対、シフト作成や勤怠の管理、登園の管理、園内の清掃等さまざま。園内の雑務を行います。保育補助は保育教諭らの指示に従い、保育業務を行う人のことです。

他にも、調理師や栄養士として認定こども園で働くことは可能です。

資格取得における特例制度について

保育士資格や幼稚園教諭資格のどちらかしか保有していない場合は、特例制度を利用するのも手です。2015年に施行された通称認定こども園法から設けられた制度で、条件を満たせば比較的簡単に保育士や幼稚園教諭の資格が得られます。

条件というのは「対象施設における勤務年数・経験が3年かつ4,320時間以上」というもの。この条件を満たしていれば、指定の大学等にて必要単位を履修すれば、保育士や幼稚園教諭などの資格を得ることができます。

<対象施設>

保育所、幼稚園(特別支援学校の幼稚部を含む)、認可外保育施設の一部、僻地保育所、認定こども園、小規模保育事業(A型・B型)、幼稚園併設型認可外保育施設、事業所内保育事業(定員6人以上)、公立の認可外保育施設、認可外保育施設(認可外保育位施設指導監督基準を満たしている)

<保育士資格を持っている場合>

指定大学にて5科目8単位を履修する 

<幼稚園教諭資格を持っている場合>

保育士試験に合格するか、養成校などで最大8単位を履修する

特例制度の期限は2025年3月までです。2024年度までに実務経験と学習を終えていることが条件になるため、特例制度を利用する場合はスケジュールに注意してください。

まとめ

認定こども園は、今後も増えていくことが予想されます。これから認定こども園で働こうとしているなら、保育士資格と幼稚園教諭資格の2つを保有していると有利です。すでに保育士か幼稚園教諭のいずれかの資格があるなら、持っていない保育士資格や幼稚園教諭資格を比較的簡単に取得できる特例制度を利用できます。一定の実務経験が必要ですが、2025年3月まで利用できますので、検討してみてもいいでしょう。

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