企業内保育士の「給与」や「待遇」はいいの? 一般的な保育士との違い

企業内にある保育施設で働く企業保育士は、一般の保育士と様々な点で違いがあります。

この記事では、企業保育士とはどんな保育士なのか、仕事内容や給与等の違いについて解説します。

一般的な保育園では働きにくさを感じている人も、企業内保育士だったら自分らしく働けるという可能性も。

実際に保育園を設置している企業についても取り上げます。

企業内保育士とは

企業内保育士とは、企業内にある保育施設において働く保育士のことです。

雇用主は主に企業で、一部業務委託を受けている業者であることもあります。

保育所の設置場所は、オフィス内や同じ敷地内、または近接の土地や社員の通勤経路等に設置されるのが一般的です。

企業内保育所は主に3つの種類があり、それぞれ大きな違いがあります。

企業内保育所の種類

企業内に設置される保育所は、名前は似ていますがそれぞれ運営が違います。

事業所内保育所(認可)

認可の保育所です。自治体から補助を受けて運営しています。長く安定した保育所で働きたい方、低年齢児を担当したい方にはうってつけの職場です。

<特徴>

  • 0歳から満3歳の子どもが利用する
  • 定員の4分の1は地域の子どもの受け入れが義務付けられている
  • 自治体が助成するため、運営が安定している
  • 保育所型の場合は全員、小規模型の場合は2分の1は保育士資格の保有が必要

事業内保育所ですが、地域の子どもも通えなければいけません。

定員20名以上の保育所型、19名以下の小規模型に分類され、それぞれ認定基準が違いますが、基本的に認定基準は厳しくなっています。

3歳以上になると、子どもは連携契約をしている保育園や幼稚園、こども園などに移ります。

企業によっては、一時預かりとして3歳以上の子どもを預かる施設もあるようです。

 

企業主導型保育所(認可外)

無認可の保育所であり、内閣府の補助を受けて運営しています。

現在、急激に増加しているのは企業主導型保育所です。

開園時間や休日が企業毎に違うため、自分に合った労働条件で働ける可能性があります。

<特徴>

  • 認可施設と同等の助成を受けて運営している
  • 開園時間や休日は企業の就業時間に合わせることができる
  • 利用する子どもの年齢や地域枠などは企業が自由に決定できる
  • 設置基準は事業所内保育所より厳しくない

対象年齢、開園時間、休日等の設定は企業毎に違います。

事前に基本的な運営スケジュールを確認して、求人に応募するといいでしょう。

企業独自の保育所(託児所)

企業が独自に運営している託児所で、保育所としても無認可です。

企業が運営するケースもあれば、事業委託されるケースもあります。

小規模な施設でゆったりと子どもに向き合いたい方におすすめです。

ただし、公的な助成の受けられない施設ですので、経営の安定性は企業によっては不透明です。

<特徴>

  • 企業が独自に運営している
  • 小規模な施設が多い
  • 開園時間や休日は企業の就業時間に合わせることができる
  • 園の運営状況は企業の経営に影響されやすい
  • 従業員の子どもが対象で、基本的に託児スペースという扱い

企業主導型保育所と同じく、開園時間は企業の就業時間に準じることが多いです。

自分の働きたい時間帯等も確認して検討するといいでしょう。

企業内保育所は増えている?

従業員の子どもが待機児童になってしまうと、働けるはずの従業員が就業できなくなり、企業としても不利益をこうむります。

保育所が見つかっても、日曜に開園していない、早朝や夜間には開園していないとなると、結局、時短勤務しかできません。

企業内保育所があれば、育児中の社員は保育所探しに奔走しなくてもよくなります。

また、就業時間をできるだけ長くできるため、労使ともにメリットがあるのです。

また、企業内に保育所があることは、子育てを支援しているとして社会的にもいいイメージがあります。

社会的な評価が上がり、従業員のモチベーションアップにつながったり、優秀な社員の確保に役立ちます。

一般的な保育所との違いとは? 企業保育士の魅力

ここからは、一般的な保育所との違いについて解説。企業保育士の魅力にも触れていきます。

運営面

企業内保育所は、一般的な保育所と違ってイベントごとなどが少ない傾向にあります。

保育所のイベントによって業務ができない、休暇を取らなくてはいけないようでは企業としてはデメリットです。

そのため、保護者の負担を軽減するためにも、基本的には大きなイベントは少なくなります。

また、一般的には朝7時頃から夜7時頃まで開園する園が多いですが、企業内保育所は開園時間は企業の就業時間や営業時間に準じるのが一般的です。

早朝・夜間に開園したり、土日に開園する保育所や、24時間開園する保育所もあります。

給与面

一般の保育士との違いは、働く企業の影響を大きく受けやすい点です。

大手企業が直接運営していれば、大手企業内の保育士は「大手企業の従業員」ということなります。

この場合、大企業の給与にならうため、年収も比較的高くなる傾向です。

ただし、他の企業に運営を委託しているなら、給与額は一般的な保育士と大差ありません。

調査によっては保育士全体の平均年収より低くなるケースもあるため、運営母体によっても給与額が違うことを理解しておくといいでしょう。

また、企業内保育所の場合は働き方によっても給与は変動します。

例えば、24時間開園している保育園であれば、夜間勤務をすれば給与は高くなります。

一方、残業がなく土日の就業がない企業であれば、勤務時間が少なくなり給与額は低くなるでしょう。

企業保育士は働く企業や運営企業によっても大きく違うことを覚えておいてください。

待遇面

待遇面も保育施設によって大きく違ってきます。

大企業であればボーナスや退職金、特別休暇や福利厚生なども充実したものを期待できるでしょう。

他にも、夏休み等の盆休みも取得しやすい傾向にあります。

例えば、企業が一斉に長期休みに入る企業の場合、保育施設も準じて休園になることが多く、保育士もゆっくり休むことが可能です。

将来性

企業内保育士の将来性も、企業の影響を大きく受けます。

企業の業績が悪化したり、企業が移転したりすれば、働き続けられない保育士もいるでしょう。

一般的な保育園と違ってイベントが少ないため、やりがいや達成感を感じるシーンも少ないです。

保育士としてチャレンジしたいことがたくさんある場合は、物足りなさを感じてしまうかもしれません。

企業内保育所を設置している企業の例

ここからは、実際に企業内保育所を導入している企業の例を紹介します。

株式会社ローソン

保育園が見つからず復職できない社員が多数いたことから、2014年、本社に企業内保育所を設置した株式会社ローソン。

保育園の設置により、復職率ほぼ100%という高い復職率を誇ります。また、保育園では子育て未経験の社員に向けた講座も開講。

会社全体で子育てをサポートしようとする取り組みを行っています。

日本IBM

日本IBMでは、2011年に企業内保育所を設置。

保育園内で使用する衣類をクリーニングに出せるサービスや、おむつの販売など、忙しい保護者をサポートするサービスが充実。

一般的な保育園では19時までの預かりですが、20時までの延長保育が可能です。

また、設置したWebカメラから、子どもの様子をいつでも確認できるサービスもあります。

エスビー食品

ハーブとスパイスで知られるエスビー食品。

利用対象者は正社員、契約社員、パートや関係会社社員の子どもたちです。

ハーブの会社らしく、ハーブや野菜を育てたり、畑仕事体験をしたりして「食」に関連した保育を取り入れています。

業務負担が少ないアットホームさが魅力

企業内保育士の仕事は、一般の保育士よりも業務負担が少なくなります。

小規模の保育園が多いため、アットホームな保育も可能です。

働く企業を選べば、安定収入や年収アップも期待できます。

企業の影響を受けやすいため、求人に応募する場合は企業の経営状況や将来性なども調べておくと安心です。

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